海外の漫画海賊版の実態
有志の翻訳グループの存在
日本の海賊版と違い、海外の海賊版の場合はアップロードされた作品を誰かが翻訳しなければ「外国語版の海賊版」にはなりません。では誰がどんな目的で作品を「翻訳」しているのでしょうか?日本でいう漫画村のような海賊版サイトは欧米ではアグリゲーターと呼ばれており、いわゆる「まとめサイト」となります。アグリゲートとは「まとめる」という意味です。まとめサイトは誰かが翻訳した作品を勝手に転載して広告料を得ています。そうです、アグリゲーターはあくまでもまとめサイトであって、「翻訳」はしていないのです。では誰が「翻訳」しているのか、それがスキャンレーターと呼ばれる人たちです(「スキャン」して「トランスレート(翻訳」)する人という意味です」)。スキャンレーターは有志の翻訳グループで、彼らは必ずしも広告費といったお金が目的ではありません(コミッションをもらう翻訳グループもいます)。純粋にその作品が好きだから、有名作品の翻訳をして無料配布することで海外ファンに神扱いされたいから、など色々な理由で翻訳活動をしています。そのスキャンレーターたちが(作家に無断で)翻訳した作品を(スキャンレータに無断で)まとめサイトに転載しているのがアグリゲーターです。アグリゲーターは100%お金目当てなので漫画に対する愛はありません。スキャンレーターの場合はお金にならない翻訳活動を無料でしているので、その作品に対して大きな愛がある場合もあります。もちろん、自分の自尊心を満たすために作家様の作品を利用している場合もあります。海賊版に転載されないためには、このスキャンレータに「翻訳させない」ということが一番最初にしなければならないことなのです。公式版が配信されていないと、スキャンレータたちは「公式版が出ていないので勝手に翻訳しても問題ないだろう」と勝手に解釈します。公式版が出ていれば、その言い訳は通用しませんし、作家の販売活動の邪魔をしているということで他のファンに神扱いされることもなくなります。公式版を配信することは、スキャンレータの「ボランティアで翻訳する」というモチベーションを著しく下げるのです。